2016年12月14日の院外活動

2016年12月14日 執筆著書

あたらしい眼科 16’増刊号 小児眼科 Q&A

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先天眼瞼下垂の重症度判定と手術時期について p154~157

林 憲吾

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先天性の眼瞼下垂のお子さんで、手術を急ぐべきかどうか、ご相談にいらっしゃるご家族の方も多く、その際の判断基準と注意点について解説しました。

最も、簡便な方法として、ペンライトを正面から両眼に当てて、瞳の真ん中に光の反射が見えるかどうか(角膜反射: corneal light reflex)が一つの指標となります。この反射が見えない場合は、重度の下垂として、早期の手術をお勧めいたします。

先天性の眼瞼下垂の眼は、弱視の頻度が15%~25%といわれており、角膜乱視や斜視などが隠れていることが多いので、眼瞼下垂の手術前後の屈折検査や視力検査が重要です。

 

さらに具体的な手術時期とその方法について解説しました。

軽度の先天眼瞼下垂であれば、挙筋短縮術で改善しますが、重度の下垂の場合、挙筋の形成不全のため、前頭筋吊り上げ術が必要となります。この前頭筋吊り上げ術は、まゆげの上のおでこの動きをまぶたに連動させる手術で、まゆげをあげるとまぶたも開くようになります。

乳幼児から3歳までに早期手術が必要な場合は、糸による一時的な吊り上げを施行します。この糸状の材料での吊り上げは術後2~3年程度で少しづつ効果が弱まり、またまぶたが下がってくることが多いです。4歳以降であれば、顔面がある程度発育しておりますので、シート状の材料による永続的な吊り上げを選択します。

その際に使用される材料は、大腿筋膜やポリテトラフルオレエチレン:PTFEシートなどがあります。それぞれの材料のメリット、デメリットを解説しました。

 

 

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