眼瞼下垂症

眼瞼下垂症とは?

眼瞼下垂症とは、まぶたを開ける筋肉(眼瞼挙筋)の作用が弱く、まぶたが下がり、眼の瞳孔(ひとみ)にかぶさる状態です。まぶたが重く、眠そうな表情になり、まぶたが瞳孔にかかると、視界が狭くなります。 原因として、先天性、加齢性、コンタクト性、外傷性など様々な要因があります。
手術は、下垂の原因と程度によって、適切な術式を選択します。

眼瞼下垂症とは?

眼瞼下垂の主な自覚症状
まぶたが重く感じる。
黒目が半分ほどしか見えていない。
いつも眠そうな顔だと言われる。
二重の幅が以前より変わってきた。
上まぶたにくぼみがでてきた。
おでこに深いしわが増えた。

眼瞼下垂症はなぜ起こる?

眼瞼下垂の仕組みを下記のまぶたの断面図で、ご説明します。

まぶた断面

健康な人(左)はまぶたの中の挙筋が収縮することで、目を開けることができます。
しかし、眼瞼下垂の患者さんは、挙筋の収縮が瞼板に伝わらないため、目を開きにくくなります。

症例写真 重度 男性

▼術前・術後写真に通常必要とされる治療内容や詳細なご説明

項目 内容
治療内容 眼瞼を切開して、眼瞼を挙上する筋肉を適度な位置に固定しなおすことで、上眼瞼を矯正します。皮膚の余りや脂肪が多い場合は同時に切除します。
治療期間・回数 約4回(初診時・手術日・抜糸日・手術から約2か月後)
費用 両側で約50,000円(3割負担の場合)
リスク・副作用 多少の出血は必ずあります。はれと内出血が生じますが、徐々に改善してきます。

眼瞼下垂症の種類と治療法

退行性(加齢性)眼瞼下垂

60歳以降に多く、加齢に伴いまぶたを開ける筋肉(眼瞼挙筋群)が薄くなり、挙筋の収縮がまぶたに伝わらなくなることが原因です。

治療法
局所麻酔での日帰り手術が可能です。下垂の程度に合わせて、軽度の場合には挙筋腱膜前転法、中等度~重度の場合はミュラー筋タッキング+挙筋腱膜前転法あるいは眼瞼挙筋短縮術、最重度で挙筋機能がないものは前頭筋吊り上げ術を施行します。

コンタクト性眼瞼下垂

主に40歳以降に多く、ハードコンタクトを20年以上使用してきた方に多くみられます。

治療法
手術は加齢性眼瞼下垂と同様に下垂の程度に応じて術式を検討します。

先天性眼瞼下垂

生まれつきまぶたを挙げる筋肉や腱膜が弱く、眼を開けにくい状態です。
片側と両側の場合があります。

治療法
局所麻酔で施行可能な場合は、当院で施行します。下垂の程度が軽度で、術中に挙筋の状態が比較的健常な場合は、ミュラー筋タッキング+挙筋腱膜前転法あるいは拳筋短縮術を選択します。重度の下垂の場合は、おでこの筋肉(前頭筋)の動きをまぶたに伝えることで眼を開けられる手術(前頭筋吊り上げ術)を施行します。

当院の眼瞼下垂手術の特徴

1. 豊富な執刀実績を持つ医師が、一人一人の症例に応じて術式を
  選択します。

眼瞼下垂といっても、様々な原因と下垂の程度があります。一つの術式のみでは、すべての種類の眼瞼下垂に対応できません。13,000例を越える経験から、症例に応じて最善の術式を選択します。

眼瞼下垂の程度を考慮します。

単純な加齢性で挙筋群の変性の少ない軽度な下垂には、低侵襲な術式を選択します。挙筋の先天的な欠損や強度な変性などで重度な下垂には、簡便な術式のみでは、正常な開閉瞼は得られないことが多く、ミュラー筋タッキング+挙筋腱膜前転法あるいは前頭筋吊り上げ術などを選択します。

一人一人の症例に応じて最善の術式を選択

2. 健康保険の適用疾患に対して手術を行います。

当院では、眼形成を専門とする医師が、美容目的の自費診療ではなく、健康保険が適用となる手術を行っています。

患者さんご自身にまぶたの開き方や左右差、ラインを確認して手術を行います。

術前と術中に座った状態で、鏡で患者さん御自身にもまぶたの開き方、左右差、まぶたのラインなどを確認して頂きます。挙筋群の仮固定、微調整後の本固定、皮膚仮縫合時など数回にわけて、確認いたします。

健康保険の適用疾患に対して整容面と視機能面を両立した手術を行います。

3. 顕微鏡を用いて正確で丁寧な手術を行います。

肉眼での手術は微細な組織の識別に限界があります。当院での眼形成手術は手術用顕微鏡を使用して筋肉や腱膜など各組織を正確に識別します。

■顕微鏡下で、手術中の細かな出血も確実に止血し、さらに必要に応じて、高周波メスも併用し、出血の少ない手術を心がけています。

顕微鏡を用いて正確で丁寧な手術を行います。

眼瞼下垂手術の術式と手術例

当院では患者さんの年齢や眼瞼下垂の進行度に応じて手術の術式を院長が選択し、手術を行います。挙筋の状態に合わせて術中に術式を切り替える用意もしております。下記に術式と手術の症例写真を具体的にご紹介します。

眼瞼下垂手術の術式と手術例について 眼瞼下垂手術の術式と手術例について
  • 挙筋腱膜前転法
  • ミュラー筋タッキング(ミュラータック法)
  • ミュラー筋タッキング+挙筋腱膜前転法
  • 挙筋短縮術
  • 前頭筋吊り上げ術

手術時間や費用について

手術時間

まぶたの手術は、基本的に両側のまぶたを日帰りで手術可能です。両側の眼瞼下垂の場合、左右のまぶたの形をそろえるために、基本的に両側を同時に手術することをお勧めしております。手術時間は術式や病状によって異なりますので、診察時に医師よりご説明いたします。

手術費用

当院の眼瞼下垂の手術は健康保険適用の手術です。

挙筋前転法

  • 3割負担の場合 両側で約50,000円
  • 1割負担の場合 両側で約18,000円

※ 別途、お薬代などがかかります。

※ 当院の手術は、美容を目的とした自由診療ではありません。

よくあるご質問

手術後の帰宅時について
手術終了時に、上まぶたにガーゼをあてます。
眼帯を隠すのであれば、サングラスや帽子の用意をお勧めします。
足元は見えますが、ガーゼで中央から上の視界が遮られますので、帰宅時に付き添いの方がいらっしゃった方が安心です。
術後の通院について
基本的に、1~2週間後に抜糸のために、受診して頂きます。
その後は2ヶ月後に診察があります。

受付時間表

休診日は水曜、土曜午後、日曜祝祭日です。

午前診療は9:30〜12:30、午後診療は14:30〜17:30からとなります。

休診日: 水曜、土曜午後、日曜祝祭日

院長が手術の時は、副院長か横浜市立大学医師が外来を担当します。

水曜は、他施設で専門外来、手術のため休診です。

アクセス

神奈川県横浜市中区日ノ出町1丁目200番 日ノ出サクアス 2F

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