2014年02月15日 筆頭和論文
日本眼科学会雑誌
詳細情報
先天鼻涙管閉塞の自然治癒率および月齢18か月以降の晩期プロービングの成功率:後ろ向きコホート研究
林 憲吾,嘉鳥 信忠,小松 裕和,大野 京子
日本眼科学会雑誌 118: 91-97, 2014.
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先天鼻涙管閉塞の症状(涙目、めやになど)は幼児の6~20%にみられると報告されています。地域集団ベースの大規模な前向きコホート研究では、1歳までに96%が自然治癒すると報告されています。そのため、1歳未満の早期治療(ブジー)を施行せずに、1歳以降に症状が残存する症例に外科的治療を施行する方針が推奨されています。聖隷浜松病院 眼形成眼窩外科における小児の先天鼻涙管閉塞の治療方針として月齢18ヶ月以上に外科的治療を施行しており、過去のデータ72名82側を調査しました。その結果、地域の専門医療機関を受診する先天鼻涙管閉塞でも生後18ヶ月まで約80%は自然治癒が期待でき、18ヶ月以降に涙道内視鏡を用いたブジー(プロービング)とチューブ挿入の併用治療で高い成功率が得られることがわかりました。