2020

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2020年11月11日 国内学会発表・講演

第74回 日本臨床眼科学会

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 インストラクションコース 眼形成の基本

「挙筋腱膜前転法、ミュラータッキング」 林憲吾

今年の臨床眼科学会はWEB開催となりましたので

発表スライドには、すべて音声付きで登録し、

学会に参加登録した眼科医がオンラインで自由に視聴できるシステムとなりました。

今回は、眼瞼下垂に対する2つの術式について、解説いたしました。

2020 臨眼 インスト 眼瞼下垂 林 9.131

2020 臨眼 インスト 眼瞼下垂 林 9.132

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挙筋腱膜前転法は、腱膜を伸びやすいように端に切れ目を入れないと、腱膜は硬くて伸縮性がないため、術後に閉瞼不全が起きやすいという特徴があります。

現在の当院の術式として、軽度の症例に挙筋腱膜前転法、中等度にミュラータッキング、重度にミュラータッキング+挙筋腱膜前転法、という3段階の術式を症例に応じて選択しております。

5年前は挙筋腱膜前転法を主体に施行してまいりましたが、現在はミュラータッキング+挙筋腱膜前転法という組み合わせ術式を主体にしております。

2020年10月25日 筆頭和論文

日本眼科手術学会雑誌

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原著論文「涙管チューブ挿入術における笑気麻酔の鎮痛効果」

林憲吾  日本眼科手術学会雑誌 33:595-597,2020

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 図1

図2

 

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笑気麻酔は、歯科や美容外科などで多く使用されております。

眼科領域における笑気麻酔の国内の論文はなかったため、

当院での涙道治療時の笑気麻酔の効果について、報告しました。

当院に笑気麻酔を導入前後の3か月間で

涙管チューブ挿入を施行した176名215側を調査しました。

涙管チューブ挿入は、局所麻酔注射のみでは、

どうしても麻酔が届かない鼻涙管深部の痛みは残ります。

笑気麻酔を導入するまでは、鼻涙管全長にわたる強度な閉塞例は

患者さんに強い痛みを我慢して頂く必要がありました。

2019年から笑気麻酔を使用するようになって、この鼻涙管の痛みが顕著に減ったことを実感します。

今回、215例での笑気麻酔の有り無しで、有意に痛みの自覚に差があることがわかりました。

 

2020年08月15日 執筆著書

「超入門」眼科手術基本手技51 2020年

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眼瞼内反症手術 

林憲吾

図3

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下まぶたの逆さまつげには、

主に若年者の先天性の睫毛内反と高齢者の加齢性の眼瞼内反があります。

若年者の先天正の下睫毛内反は、基本的に切開法で治療します。

ただし、極軽度な目頭(鼻側)の逆さまつげの場合は、

1点のみ埋没法を施行することで治療可能です。

一方、高齢者の加齢性下眼瞼内反は、縦(垂直)方向と横(水平)方向のゆるみ(弛緩)が原因で内側にひっくり返るものです。

治療法としてそのゆるみを解消する必要があります。

当院では、加齢によるゆるみの状態から2つの埋没法を選択しております。

今回は、この2つの埋没法について、手術手技を解説いたしました。

 

2020年02月14日 国内学会発表・講演

第6回 ESG(外眼部手術勉強会) 横浜

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「緑内障点眼使用症例における眼瞼下垂術後の角膜上皮障害」

林 憲吾

 IMG_0970 2020 ESG 緑内障 下垂OPE SPK 修正

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一般的に眼瞼下垂手術後、1か月程度は瞬目(まばたき)が浅くなり、ドライアイとなる傾向があります。

特に緑内障点眼を多剤使用中の患者さんは、ドライアイが一時的に悪化することが多くみられます。

そのような場合の対応として、防腐剤が入っていない緑内障点眼薬、防腐剤が入っていないドライアイ点眼薬など術前後に使用する点眼に工夫が必要となります。

2020年01月25日 国内学会発表・講演

第43回 日本眼科手術学会 東京

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インストラクションコース「眼瞼下垂症手術 ~オーダーメイドを目指して~」

「ミュラー筋タッキング+挙筋腱膜前転法」

林 憲吾

IMG_0796 図1

今回の学会での眼瞼下垂についてのインストラクションコースの構成は

①挙筋腱膜前転法(原法、後面から前転する変法)

②ミュラー筋タッキング

③経結膜ミュラー筋短縮術(通糸法)

④ミュラー筋タッキング+挙筋腱膜前転法

⑤拳筋短縮術

上記の5つの術式について、5名の演者が解説しました。

 スライド1 スライド2

 スライド3 スライド4

 

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私からは「ミュラー筋タッキング+挙筋腱膜前転法」について、手術動画を含めて解説させて頂きました。

当院では、30~40代の若年者の非常に軽度な眼瞼下垂には挙筋腱膜前転法を施行しますが、

中等度以上の眼瞼下垂には、まずミュラー筋タッキングを2点施行し、術中に挙筋腱膜前転を1点追加するかを検討します。

重度な症例は、この術式が非常に有用です。

2020年01月24日 筆頭和論文

あたらしい眼科

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原著論文「涙丘・半月襞の耳側偏位に対する涙丘・半月襞切除の術後成績」

あたらしい眼科  林 憲吾

図1

図2

 

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流涙症(涙目)の主な原因として、涙道閉塞や狭窄がまず疑われますが、涙道以外に、結膜弛緩症(白目の膜がゆるむこと)が原因となることもあります。結膜弛緩症が導涙障害となっている場合,結膜弛緩症に対して治療を検討します。結膜弛緩症に対する主な治療法として、切除法(切って縫う),縫着法(切らずに縫い付ける),焼灼法(電気で焼いて縮める)などがあります。

一方,涙丘・半月襞(目頭の粘膜のコブ)が涙点を越えて耳側に偏位していることにより,涙液メニスカスの導涙障害となっている症例もあります。この涙丘・半月襞の耳側偏位の治療には,球結膜の弛緩に対する切除法と合わせて,涙丘・半月襞の切除を併用することが報告されています。

当院では,球結膜の弛緩と涙丘・半月襞の耳側偏位のそれぞれの程度から,①焼灼法,②涙丘・半月襞切除,③焼灼法+涙丘・半月襞切除,3つの術式を選択しています。今回、涙丘・半月襞切除のみ施行した症例での治療成績を報告しました。

近年,後眼部用の光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)に前眼部観察用のアタッチメントを装着し,下方涙液メニスカスの断面の高さ(tear meniscus height:TMH)を簡便に調べることが可能となりました。

今回、術前後の涙の貯留量をこの前眼部OCTを用いて数値化し、自覚的な変化のみではなく、他覚的な数値の変化でも、有意に改善することを報告しました。

 

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