2023年10月06日 執筆著書
「眼科の処置 小手術 最新の治療」
詳細情報
「下眼瞼内反症の外科的治療」
林憲吾 p36-41
コメント
下眼瞼内反症の外科的治療について執筆を担当させていただきました。
下眼瞼内反症には主な治療方法としては切開法と埋没法がありますが
今回は短時間で低侵襲な埋没法について解説いたしました。
要約
「下眼瞼内反症とは日常診察で多く見かける疾患の一つです。下眼瞼内反症に対する埋没法の手技自体は、非常に簡便で短時間で施行可能ですが、むしろその適応を見極める事が重要で、特に高齢者の下眼瞼内反の場合、水平方向の弛緩の有無に応じて埋没法の方法を選択する事が必要があります。術式の選択については、pinch testで水平方向の弛緩を確認し、正常は5mm前後のところ、8mm以上であれば水平方向の弛緩ありと診断します。水平方向の弛緩がある場合は従来の埋没法の変法として、垂直方向と水平方向を同時に短縮するように、1本の糸で広範囲に通糸する、wide everting suture (WES)の適応と判断します。本稿では従来の垂直方向の埋没法、水平方向の広範囲な埋没法、内反の再発した際の対応や術後合併症についての注意点について解説しました。」