2017年05月20日 国内学会発表・講演
眼形成涙道研究会 第4回オパールの会
詳細情報
コメント
眼瞼下垂に対する手術は、挙筋腱膜を動かすか、ミュラー筋を動かすか、その両方を動かすか、という3つに大きくわかれます。
その術式も長所・短所があり、軽度から重度までオールマイティな術式というものはなく、症例に応じて、最適な術式を選択することが好ましいと思われます。
今回の講演では、当院で主に行っている挙筋腱膜前転法、ミュラー筋タッキングの長所・短所を手術動画と術前後の経過を提示しました。
また、眼瞼下垂の手術後に起こりうる合併症として、最も多いものは、左右差だと思います。術中の定量で、左右差ができるだけなくなるように挙筋の固定位置を調整します。術直後には左右差が全くなくても、1週間後の抜糸の時に、左右差が出ていることがあります。当院で行う手術は、整容目的の自費診療の美容整形の手術ではなく、健康保険が適応となる眼瞼下垂に対する手術のため、1mm未満のわずかな左右差を整容目的のみで再手術することはありませんが、1週間後の抜糸時に開瞼幅の左右差が明らかな場合、軽減する2週間目に再度拝見します。明らかな左右差が残存している場合、前転した挙筋を短時間で再調整する処置を検討します。
今回の講演の主題が、合併症対策ということでしたので、各術式の再調整について、手術動画と術前後を解説いたしました。