2022年02月26日の院外活動

2022年02月26日 執筆著書

臨床眼科 特集:眼瞼疾患の「切らない治療」vs「切る」治療

詳細情報

下眼瞼内反症の「切らない」治療

加齢性眼瞼内反症の「切らない」治療  p165-171

林憲吾

図3

図1

図2

コメント

今回の雑誌「臨床眼科」は、眼瞼の霰粒腫や内反や下垂など様々な疾患に対して、切らない治療と切る治療を比較して解説するという特集で、私は下眼瞼内反症の切らない治療として、埋没法を担当させていただきました。

埋没法は、出血が少なく、3分程度と短時間で施行可能です。

術前に、まぶたを手前に引っ張り、水平方向(横向きの靭帯)の緩み具合を判断することが重要です。

約8割の患者さんは、水平方向の緩みを認め、その場合は垂直方向のみの矯正では、再発しやすいので、水平方向も短縮するように1本で横向きに広範囲に糸を通す埋没法を施行します(Wide everting suture)。

約2割の患者さんは、水平方向の緩みがなく、その場合は垂直方向を矯正する通常の埋没法(Everting suture)を2か所施行します。

この埋没法の使い分けることで、当院の約600例のデータでは再発率は約7%と非常に少ない結果でした。(原著論文は2022年に掲載予定です)

再発する例の特徴は、目頭の靭帯(内眥靭帯)と目尻の靭帯(外眥靭帯)の弛緩が非常に強い場合です。この場合、水平方向を埋没法で短縮しても、靭帯の緩みが残存するため、適切な矯正ができないため、このような場合は、埋没法と別の切開法(外眥靭帯を骨膜に短縮固定するLateral tarsal strip)を併用する必要があります。

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