国内学会発表・講演

国内学会での発表・講演をご紹介します。

2023年07月09日 国内学会発表・講演

第11回 日本涙液涙道学会(大阪)

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シンポジウム

「Not シース, but バンガーター」

林憲吾

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涙道閉塞に一般的に施行されている涙管チューブ挿入について、

これまで数多くの論文が発表されており、

また現在でも各施設で様々な工夫がなれてています。

今回、当院で施行しております涙管チューブ挿入について

その一連の流れ、術後成績、方針について報告いたしました。

涙嚢炎がある症例、鼻涙管の広範囲の閉塞がある場合

チューブでの治癒率が有意に低くなること

当院の成績と既報と一致しておりました。

そのため、そのような症例は、根治にはDCRが推奨されます。

当院では、笑気麻酔を併用し、痛みを軽減し、

できるたけ短時間でチューブ挿入を済ませる方針にしております。

2023年06月07日 国内学会発表・講演

第10回 日本眼形成再建外科学会 

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「自発性瞬目測定時の瞬目基準の設定」 林憲吾

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今年の眼形成学会は、北海道大学の広大な構内で開催されました。

昨年からアイドラという新しい医療機器による瞬目(まばたき)を検査することができるようになりました。

当院では、眼瞼下垂手術の前後に、まばたきの変化を確認しております。

この器械の初期設定では、まぶたの微動をまばたきをカウントしていまうため

症例によっては、異常な回数が出てしまうことがありますので、その点を改善するため

基準を再設定した結果を報告いたしました。

今後、国内においても、瞬目(まばたき)についての研究が、さらに進むことが予想されます。

2023年04月09日 国内学会発表・講演

第127回 日本眼科学会総会 教育セミナー

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眼形成手術のフロントライン~概念から最新の術式まで~

眼瞼下垂手術   林憲吾

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今回、日本眼科学会の教育セミナーの眼形成分野で、眼瞼下垂の手術について、担当させて頂きました。

挙筋前転法として、4つの術式の手術動画とその長所短所を解説いたしました。

また、眼瞼下垂手術前に注意するべき症例として、

3つの注意点と対策についても解説いたしました。

2023年02月12日 国内学会発表・講演

第34回 日本眼瞼義眼床手術学会

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ドライアイの検査機器であるアイドラ(イタリアのSBM社製)を用いて

瞬きを検査することが可能となりました。

眼瞼下垂手術後、一時的にドライアイになることがありますが

瞬きを検査することによって、どのような変化が起きているのかを

説明することができるようになりました。

今回、代表症例を提示しました。

まばたきが浅くなる(不完全な瞬目)、まばたきの回数が減る

2つの変化が術後のドライアイに関与している可能性が考えられます。

今後この器械で眼瞼下垂手術前後の瞬目の変化について

解明を進めていく予定です。

2022年11月12日 国内学会発表・講演

第36回 日本眼窩疾患シンポジウム

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一般演題

「眼瞼下垂手術前に上輪部角結膜炎を認めた症例の術後経過」

林憲吾

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上輪部角結膜炎(SLK)は、非常に稀な疾患で、通常のドライアイの角膜の傷ではなく、上方の結膜(白目の部分)に傷ができるものです。

ゴロゴロする異物感がありますが、角膜に傷がないため、見逃されていることもあります。

この上輪部角結膜炎がある患者さんに眼瞼下垂手術を施行すると、結膜の傷が悪化することが多いため、当院での5年間の眼瞼下垂手術症例(7996眼瞼)を調査しました。

術前からSLKを認めた症例は26眼と全体の0.3%と非常に少ないものでした。

特徴としては、女性でドライアイの自覚症状(ゴロゴロする)がある方、特に甲状腺疾患により眼球突出がある場合は、要注意です。

どのような下垂の程度(軽度~重度)でも、どの手術術式でも、SLKは術後に悪化することが多いことがわかりました。

ドライアイ点眼で約50%の症例で改善し、涙点プラグ挿入で約75%の症例で改善を認めました。

眼瞼下垂手術により、一時的にドライアイになり、かつ前転した挙筋のボリュームで上まぶたと眼球表面との摩擦が亢進し、SLKが悪化することが考えられます。

このSLKがある場合は、眼瞼下垂の手術前から積極的にSLKに対する治療を行い、眼瞼下垂手術後に一時的に悪化するため、追加治療を検討する必要があると思われます。

 

 

2022年10月15日 国内学会発表・講演

第76回 日本臨床眼科学会 

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インストラクションコース

「眼形成の基本 眼瞼下垂症手術」

前頭筋吊り上げ術

林憲吾

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眼瞼下垂に対する手術を特集としたインストラクションコースで、前頭筋吊り上げ術について解説を担当させて頂きました。

眼瞼下垂に対する手術は、様々な術式がありますが、挙筋腱膜やミュラー筋を介して、挙筋を前転する手術がメンイとなります。

私が執刀を担当してきた眼瞼下垂11,200眼瞼中、前頭筋吊り上げ術は0.8%と頻度は非常に少ないですが、一定数この手術が必要な最重度の眼瞼下垂は存在します。

 先天性の眼瞼下垂でも、軽度~中等度の下垂であれば、挙筋前転で対応可能な症例が大部分です。ただし、まぶたを挙げる機能がほぼない挙筋の変性(線維化)や欠損が著明な最重度の眼瞼下垂の場合、不適切な挙筋前転を行うと、まぶたを開けることも閉じることもできない状態となります。このような場合は、おでこの筋肉(前頭筋)の動きをまぶたに連結する「前頭筋吊り上げ術」が必要となります。

幼児の場合、重度の眼瞼下垂を放置すると視機能の発達を妨げ、弱視となってしまうことがあるため、一時的な糸吊り上げを施行します。この効果はおよそ2~3年で減弱します。中顔面が発達した5~6歳の就学前後に、永続的な吊り上げ術を施行することが理想的です。幼児のため、いずれも全身麻酔下での手術が必要となります。

永続的な吊り上げ術に使用する吊り上げ材料には、大きく分けて、自家組織(自分の足などの筋膜)と人工材料(ゴアテックス:PTFEシート)があります。

大腿筋膜は国内の形成外科では最も一般的に使用される材料です。異物反応や感染などの合併症がほぼないことがメリットです。一方で、筋膜は移植後に収縮します。既報では6か月で15%の長さが収縮するとされています。そのため、収縮を予想して、長く緩めた状態で移植固定するのですが、半年後、数年後、10年後の収縮を完全に予想することは困難です。そのため、頻度は少ないと思いますが、移植された筋膜が予想以上に収縮した場合、まぶたが閉じない(兎眼)の状態となります。この点が筋膜のデメリットとなります。この場合、移植筋膜を取り除く必要があります。

人工材料のゴアテックス:PTFEシートは現在、国内でも特定保険医療材料として、眼瞼下垂に使用することが認められ、医療機関で使用することが可能です。このシートのメリットは、術後に収縮することがないため、筋膜のように術後に徐々に過矯正となる心配がない、糸吊り上げのように下垂の再発がない、術後に低矯正であった場合は、シートの長さを再固定することでまぶたの開き方を簡単に微調整することができるという点が挙げられます。ただし、デメリットとして、人工材料ですので、異物反応として2~3%の割合で、異物反応肉芽腫や感染により露出することがあり、再手術を検討することがあります。

 今回は、これらの内容を手術手技と手術前後の経過を含めて解説させていただきました。

 

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