2016年02月28日 執筆著書
眼科診療クオリファイ 近視の病態とマネジメント
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①強度近視により眼底に様々な変化が起きますが、その変化にはいくつかのパターンがあります。その眼底変化について、東京医科歯科大学の強度近視外来で1000人を超える膨大な診療記録から作成した長期的な自然経過の分類について解説しました。
②強度近視による網脈絡膜萎縮のなかでも、眼底の中心部(黄斑)が萎縮する黄斑萎縮と呼ばれる病変は、中心視野と視力の障害をきたします。この黄斑が萎縮する原因として最も多いのは、近視性脈絡膜新生血管(近視性CNV)です。この近視性CNVが発生すると、無治療では約90%と高率に黄斑萎縮へ進行し、矯正視力が0.1未満となります。そこで何らかの治療が必要となります。光線力学療法(PDT)および抗血管内皮増殖因子(VEGF)療法について、その特徴や治療予後について解説しました。
2013年から近視性脈絡膜新生血管に対して、抗VEFG療法が保険適応となり、一般的に治療を受けることが可能となりました。
2015年10月25日 執筆著書
眼科臨床エキスパート:知っておきたい眼腫瘍診療
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眼瞼の悪性腫瘍を疑う場合、完全切除が原則であり、腫瘍に安全域を含めて切除する必要があります。切除する部位と範囲によって、切除方法が異なり、さらに切除後の再建にも様々な手術方法があります。
比較的小さい腫瘍であれば、単純に眼瞼を全層切除し、断端を逢着するという単純縫縮で対応できますが、大きい腫瘍であった場合、切除部位をカバーするために再建が必要になります。皮膚側(前葉)の再建として、rhomboid flap(菱形皮弁)、Dufourmentel flap、bilobed flap(双葉皮弁)、V-Y前進皮弁、cheek rotation flap(頬部回転皮弁)、眼輪筋皮弁、lateral orbital flap(外側眼窩皮弁)などがあります。粘膜側(後葉)の再建として、口の中の硬口蓋粘膜、鼻の中の鼻中隔粘膜軟骨などがあります。全層(前葉と後葉)の再建として、下の瞼を上の瞼へ移植するSwitch flapなどがあります。具体的な手術方法とその症例を提示して説明しました。
2015年05月11日 執筆著書
日本眼科手術学会雑誌
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眼瞼下垂症手術の各アプローチ法について、適応と模式図および術中の写真を含めて解説しました。さらに海外での術式の選択についても国内と比較して紹介しました。
国内では皮膚を切ってまぶたの中に入る経皮アプローチが主流です。一方、欧米では経皮アプローチは一般的に行われていますが、まぶたの裏の結膜から入る経結膜アプローチも多く行われています。
術式として、挙筋腱膜タッキング、挙筋腱膜前転法、Muller筋タッキング、挙筋短縮術、前頭筋吊上げ術を模式図と術中写真とともに解説しました。
また、挙筋機能不良な先天性眼瞼下垂などに適応される前頭筋吊り上げ術に使用する吊り上げ材料についても国内外の現状について紹介しました。国内では乳幼児には一時的な吊り上げとしてナイロン糸などの縫合糸を使用して、4歳前後から永続的な効果を期待できる大腿筋膜やゴアテックスシートなどが使用されることが多いですが、アメリカの眼形成学会のメンバーによるアンケート結果をまとめた報告では、日本国内では販売されていないシリコンロッドを使用することが最も多いようです。
2014年10月25日 執筆著書
超アトラス 眼瞼手術 ―眼科・形成外科の考えるポイント-
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下眼瞼の睫毛内反:若年者における埋没法 p64~71
眼瞼下垂:若年者に対する人工素材による吊り上げ術 p179~187
林 憲吾
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- ①先天性の睫毛内反に対する埋没法について解説しています。軽度の内反症には埋没法でも長期的に再発はなく、良好な経過の症例もありますが、中等度以上の内反症には、埋没法では再発することが多いこと説明しています。
- ②先天性の重度の眼瞼下垂に対する人工素材を使用した前頭筋吊り上げ術について解説しています。糸により一時的な吊り上げ、ゴアテックスシートあるいはシリコンバンドを使用した永続的な吊り上げについて紹介しています。
2014年08月25日 執筆著書
TNM 悪性腫瘍分類 カラーアトラス
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第7編 眼の腫瘍原発部位
56章 眼瞼、付属器、結膜 p672~681
59章 眼窩肉腫、リンパ腫、涙腺癌 p704~717
林 憲吾
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全身の悪性腫瘍の進行分類を解説した英文医学書を和訳した本です。私は、眼瞼や結膜、眼窩に原発する悪性腫瘍の進行分類の和訳を担当しました。具体的な疾患名として、眼瞼の基底細胞癌や眼窩の悪性リンパ腫などを解説しています。
2014年01月25日 執筆著書
眼手術学 総論・眼窩
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眼窩腫瘍摘出:術後合併症とその対策 p346~350
林 憲吾・嘉鳥信忠
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眼窩腫瘍の中でも、眼球よりさらに奥の部位に腫瘍がある場合、難易度の高い手術となります。多くの神経や血管、脂肪を分けながら慎重に進む必要があります。出血や神経障害など様々な合併症が起こる可能性がありますが、その予防や対策について解説しています。