2022年03月25日 執筆著書
OCULISTA 眼瞼手術アトラス
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今回の眼科雑誌OCULISTAは、眼瞼手術の特集で、
聖隷浜松病院 眼形成眼窩外科 出身の医師18名による
様々な眼瞼手術の術式について解説するという企画でした。
私は、「眉毛下皮膚切除」について担当させて頂きました。
眼瞼の余剰皮膚を切除する場合、予定重瞼線から切除するパターンと眉毛の下で切除するパターンがあります。
それぞれ、メリットとデメリットがあります。
予定重瞼線からの切除する場合
メリットとしては、眼窩脂肪を切除できる、挙筋前転を行うことができる、重瞼線を作成することができるという点が挙げられます。
デメリットとしては、皮膚が厚い場合、重瞼線の上の皮膚の厚みが強調され、不自然な厚ぼったい二重となる点があります。
眉毛下で切除する場合
メリットとしては、皮膚の厚みのある眉毛の部分で切除して引き上げるので、自然な仕上がりとなります。
デメリットとしては、眼窩脂肪は切除できない、挙筋前転を行えない、もともと一重の方は術後も一重のため皮膚が被さりやすいという点が挙げられます。
術前の診察で、どちらのほうが、患者さんの意向に沿っているのか、よく相談する必要があります。
一般的には、皮膚の厚く硬い場合は、まず眉毛下での切除をお勧めいたします。
この術式の手技は、比較的容易ですが、仕上がりに最も差が出るのは、
どこの部分で何ミリ幅 切除するのかというデザインかと思われます。
アジア人の場合、外側(耳側)の皮膚のたるみが多くでるパターンが大多数ですが
内側(鼻側)から外側(耳側)までほぼ均一に被さるパターンの方もいらっしゃいます。
今回は、そのデザインと縫合のコツについて、私見を述べさせて頂きました。
2022年02月26日 執筆著書
臨床眼科 特集:眼瞼疾患の「切らない治療」vs「切る」治療
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今回の雑誌「臨床眼科」は、眼瞼の霰粒腫や内反や下垂など様々な疾患に対して、切らない治療と切る治療を比較して解説するという特集で、私は下眼瞼内反症の切らない治療として、埋没法を担当させていただきました。
埋没法は、出血が少なく、3分程度と短時間で施行可能です。
術前に、まぶたを手前に引っ張り、水平方向(横向きの靭帯)の緩み具合を判断することが重要です。
約8割の患者さんは、水平方向の緩みを認め、その場合は垂直方向のみの矯正では、再発しやすいので、水平方向も短縮するように1本で横向きに広範囲に糸を通す埋没法を施行します(Wide everting suture)。
約2割の患者さんは、水平方向の緩みがなく、その場合は垂直方向を矯正する通常の埋没法(Everting suture)を2か所施行します。
この埋没法の使い分けることで、当院の約600例のデータでは再発率は約7%と非常に少ない結果でした。(原著論文は2022年に掲載予定です)
再発する例の特徴は、目頭の靭帯(内眥靭帯)と目尻の靭帯(外眥靭帯)の弛緩が非常に強い場合です。この場合、水平方向を埋没法で短縮しても、靭帯の緩みが残存するため、適切な矯正ができないため、このような場合は、埋没法と別の切開法(外眥靭帯を骨膜に短縮固定するLateral tarsal strip)を併用する必要があります。
2022年01月29日 国内学会発表・講演
第45回 日本眼科手術学会 教育セミナー「眼瞼手術」
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今回の眼科手術学会は、コロナ拡大防止のため、急遽オンライン収録配信となりました。
教育セミナーで、睫毛内反について、手術動画を中心に解説いたしました。
極軽度な先天性の下睫毛内反には、埋没法を施行しますが
中等度以上の通常の下睫毛内反には、切開法が必要となります。
重度な睫毛内反には、睫毛とまぶたの裏の粘膜の間に切開を入れるLid margin splittingや
内眼角贅皮(蒙古ひだ)に対する、内眼角形成術(眼頭切開)などについて解説いたしました。