2015年02月01日 国内学会発表・講演
第38回 日本眼科手術学会 Film Festival 部門賞 受賞
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加齢による退行性下眼瞼内反症(老人性の逆さまつ毛)は、垂直方向と水平方向の弛緩が原因と言われています。治療法として、切開法(Jones変法やlateral tarsal stripなど)は、再発率が低いのですが、手術時間が長く、侵襲も大きいため、患者さんへの術中の負担がデメリットと言えます。
一方、埋没法は簡単で手術時間も短いのですが、従来の埋没法は数か所、点状に垂直方向のみを矯正するもので、再発率は20%前後と高率であることが、報告されていました。
そこで、私は2008年から垂直方向と水平方向を同時に短縮するように1本の糸で広範囲に通糸する埋没法(Wide Everting Suture)を考案し、41例で術後平均1年で再発率は7.4%とその良好な成績を2011年の日本眼科学会雑誌に報告しました。
しかし、その当時使用していた糸が7-0ポリプロピレンと非常に細い糸であったため、長期的な張力の維持のため、使用する糸をゴアテックスという素材の太い糸(CV-5)に改良しました。この糸は血管外科領域で人工血管との吻合などにも使用される生体適合性に優れ、長期的劣化も少ないという特徴があります。
今回、44例で術後平均約1年で再発率は6.8%と良好な結果が得られましたので、実際の手術動画をFilm Festivalで発表し、部門賞を頂きました。この埋没法は5分程度と短時間で、患者さんへの負担も少ないため、第一選択と考えております。
私の経験では、この埋没法でも長期的みると10人中1人は、再発する傾向がありますので、再発した方のみ、再手術として切開法をお勧めするようにしています。
2015年02月01日 国内学会発表・講演
第38回 日本眼科手術学会
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インストラクションコース
各手術機器における眼瞼下垂手術vol.7
~ターゲットは挙筋腱膜?ミュラー筋?~
上眼瞼の解剖、挙筋腱膜タッキング、挙筋腱膜前転法など
林 憲吾
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眼瞼下垂の手術には、ターゲットとなる筋群の部位によって、いくつか術式が分けられます。
①挙筋腱膜、②ミュラー筋、③挙筋腱膜+ミュラー筋
今回の講演では、簡単な上眼瞼の構造を説明し、手術については、①挙筋腱膜のタッキング、②挙筋腱膜前転法、③私が行っている腱膜タッキングの工夫点、④挙筋腱膜で挙がらない場合、手術中に挙筋短縮術(挙筋腱膜とミュラー筋の両方)への切り替え、について手術動画と模式図をあわせて、解説しました。
2014年11月13日 国内学会発表・講演
第68回 日本臨床眼科学会
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インストラクションコース
眼形成の基本 vol.12
Baggy eyelid
~経結膜 or 経皮アプローチ、脂肪切除or 脂肪移動~
林 憲吾
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眼の周りの脂肪(眼窩脂肪)を納める膜状の組織(眼窩隔膜)が加齢と伴にゆるみ、眼窩脂肪が脱出することを眼窩脂肪ヘルニア(脂肪脱)と言います。眼球側に脱出した場合、結膜下脂肪脱といい、白目の部分に黄色の脂肪がみえる状態で、眼科でよく手術する疾患です。一方、眼瞼の表面側に向かって脱出した場合、眼瞼脂肪脱(baggy eyelid)といい、特に下まぶたがプクッと膨れた状態で、美容形成外科で手術することの多い疾患です。今回のインストラクションでは、この眼瞼脂肪脱の術式について、4パターンを動画で供覧し、その術前後について、解説しました。
2014年07月12日 国内学会発表・講演
第29回 眼窩疾患シンポジウム
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Marcus Gunn Jaw-winking syndromeに対してミュラー筋短縮術と挙筋短縮術を術中に比較した1例
林 憲吾
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Marcus Gunn jaw-winking syndrome(下顎眼瞼連合運動症候群)は下のあごを動かす外側翼突筋の三叉神経とまぶたを挙げる上眼瞼挙筋の動眼神経が先天的に異常連合していることが原因とされ、口を動かすと下がっていたまぶたがピクピクと動きます。術式として、挙筋短縮術や眼瞼挙筋切離した上での前頭筋吊り上げ術などが報告されています。今回、ミュラー筋のみを短縮した開瞼状態と挙筋腱膜とミュラー筋を短縮した開瞼状態を術中に比較したので、その術中所見と経過について報告しました。
2014年07月06日 国内学会発表・講演
第3回 日本涙道・涙液学会
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イブニングセミナー
当院における涙道閉塞の治療戦略
林 憲吾
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- 近年、涙道内視鏡によって、より正確に涙道の検査および治療が可能となりました。理想的には全症例で涙道内視鏡を使用した正確な診断と治療が望ましいと思われます。しかし、ふだん涙道内視鏡のない施設では、どこまでできるのか?どのような場合、ホントに涙道内視鏡が必要になるのか?などについて、解説しました。
- さらに、涙嚢鼻腔吻合術(DCR)の術前検査や、低侵襲な局所麻酔下でのDCR鼻内法(EN-DCR)について紹介いたしました。