最新の院外活動

2016年02月28日 執筆著書

眼科診療クオリファイ 近視の病態とマネジメント

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978-4-521-73925-0

① 強度近視の眼底病変とその疫学

眼底病変の進行過程 p177~186

②近視性網脈絡膜萎縮

進行過程と予後  p273~p281

林 憲吾

 

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①強度近視により眼底に様々な変化が起きますが、その変化にはいくつかのパターンがあります。その眼底変化について、東京医科歯科大学の強度近視外来で1000人を超える膨大な診療記録から作成した長期的な自然経過の分類について解説しました。

②強度近視による網脈絡膜萎縮のなかでも、眼底の中心部(黄斑)が萎縮する黄斑萎縮と呼ばれる病変は、中心視野と視力の障害をきたします。この黄斑が萎縮する原因として最も多いのは、近視性脈絡膜新生血管(近視性CNV)です。この近視性CNVが発生すると、無治療では約90%と高率に黄斑萎縮へ進行し、矯正視力が0.1未満となります。そこで何らかの治療が必要となります。光線力学療法(PDT)および抗血管内皮増殖因子(VEGF)療法について、その特徴や治療予後について解説しました。

2013年から近視性脈絡膜新生血管に対して、抗VEFG療法が保険適応となり、一般的に治療を受けることが可能となりました。

 

2016年02月27日 国内学会発表・講演

第27回 日本眼瞼義眼床手術学会

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ゴアテックスⓇシートを用いた前頭筋吊り上げ術の再手術および吊り上げ材料の病理組織

林 憲吾

YSM ゴアテックス病理 

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重度の眼瞼下垂症に対して、通常の挙筋短縮術で矯正不能な場合、前頭筋吊り上げ術という手術が必要となります。まぶたとおでこの筋肉を連結させる吊り上げ素材として自家組織(自分の足の筋膜など)と人工材料(糸やシリコンやゴアテックスなど)があります。片面に凹凸があり、もう片面は平滑な人工硬膜ゴアテックスMVPシートを使用した前頭筋吊り上げ術は、再発率が低く長期成績が良好であることを以前報告しました。低矯正であった場合、眉毛の上を切開してゴアテックスシートの長さを調整して再固定します。その際にゴアテックシートの凹凸のある面は周辺組織との癒着があり、平滑面は癒着がなくカプセルが形成されています。その組織の病理所見について報告しました。

2016年01月31日 国内学会発表・講演

第39回 眼科手術学会

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インストラクションコース

各手術機器における眼瞼下垂手術 vol.8

~ターゲットは挙筋腱膜?ミュラー筋?~

上眼瞼の解剖、挙筋腱膜タッキング、挙筋腱膜前転法など

林 憲吾

図2 2016 手術学会 インスト 腱膜 2016.1.26

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昨年に引き続き、挙筋腱膜を中心として前転法を動画と模式図を用いて解説いたしました。

挙筋腱膜のみの前転では、重度の眼瞼下垂に対応できない場合があり、そのような場合は、術中に挙筋腱膜とミュラー筋を同時に前転する挙筋短縮術や、さらに挙筋機能が不良な場合は、前頭筋吊り上げ術へ切り替える必要があります。

今回のインストラクションでは、私が昨年執刀した225名433眼瞼の眼瞼下垂の程度の割合と実際に行った術式の割合を供覧いたしました。

具体的には、8割の症例は挙筋腱膜を中心として前転で対応可能でした。

一方、2割の症例は、挙筋短縮術あるは前頭筋吊り上げ術が必要でした。

 

2015年11月11日 その他の活動

ドクターズファイルに掲載されました

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「今年の春、横浜市内中心部、日ノ出町駅からすぐの場所に、商業、住宅、医療福祉施設の複合ビル日ノ出サクアスがオープンした。その医療フロアに「横浜桜木町眼科」がある。院長の林憲吾先生は、眼形成や涙道に関する疾患を専門に、並々ならぬ研鑽を積み、数多くの手術を担当してきた医師だ。眼形成、涙道を専門に手術を行うクリニックは少ないため、開業以来、遠方からも患者が多数来院している。また、学会発表などの活動にも熱心に取り組むが、そこには、クリニックでの日々の手術が、医療の発展に繋がるとの思いがあるから。日々、患者と真摯に向き合い、医療の発展に力を注ぐ林先生に、その胸の内を語っていただいた。(取材日2015年10月6日)」

詳しくは下記のドクターズファイルのページをご覧ください。

http://doctorsfile.jp/h/177450/df/1/

2015年10月31日 国内学会発表・講演

第13回 Bay Ophthalmic Surgical Seminar

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涙嚢鼻腔吻合術(DCR)鼻内法・鼻外法

林 憲吾

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涙管チューブで治療不能な強度の涙道閉塞や涙嚢炎では、根治手術として、涙嚢鼻腔吻合術(DCR)が必要となります。DCRは、涙嚢から中鼻道という鼻の中へ直接涙が通るようにバイパスの孔(DCR hole)を作る手術です。従来から行われてきた皮膚を切開した行う鼻外法と、皮膚を切らずに鼻の内視鏡を用いて鼻の粘膜側から切開する鼻内法があります。各手術の動画を模式図と一緒に説明し、手術時の使用する機材などを紹介しました。

また、私が聖隷浜松病院、東京医科歯科大学病院、横浜南共済病院で行ってきた症例の成績と代表例を提示しました。

現在は、主に皮膚を切らずに行う鼻内法で、ダイヤモンドバーの小型のドリルを使用した手術を横浜南共済病院で担当しています。

また、レーザーを用いたDCRは、バイパスの孔は小さく、再発率が比較的高いと言われていますが、短時間で局所麻酔で施行でき患者さんに身体的な負担が少ないというメリットがあります。今後、レーザーを用いたDCRについても検討する予定です。

2015年10月25日 執筆著書

眼科臨床エキスパート:知っておきたい眼腫瘍診療

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9784260023948-B-1-L

悪性眼瞼腫瘍の治療、手術 p50~57

林 憲吾、嘉鳥信忠

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眼瞼の悪性腫瘍を疑う場合、完全切除が原則であり、腫瘍に安全域を含めて切除する必要があります。切除する部位と範囲によって、切除方法が異なり、さらに切除後の再建にも様々な手術方法があります。

比較的小さい腫瘍であれば、単純に眼瞼を全層切除し、断端を逢着するという単純縫縮で対応できますが、大きい腫瘍であった場合、切除部位をカバーするために再建が必要になります。皮膚側(前葉)の再建として、rhomboid flap(菱形皮弁)、Dufourmentel flap、bilobed flap(双葉皮弁)、V-Y前進皮弁、cheek rotation flap(頬部回転皮弁)、眼輪筋皮弁、lateral orbital flap(外側眼窩皮弁)などがあります。粘膜側(後葉)の再建として、口の中の硬口蓋粘膜、鼻の中の鼻中隔粘膜軟骨などがあります。全層(前葉と後葉)の再建として、下の瞼を上の瞼へ移植するSwitch flapなどがあります。具体的な手術方法とその症例を提示して説明しました。

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