2020年08月15日 執筆著書
「超入門」眼科手術基本手技51 2020年
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下まぶたの逆さまつげには、
主に若年者の先天性の睫毛内反と高齢者の加齢性の眼瞼内反があります。
若年者の先天正の下睫毛内反は、基本的に切開法で治療します。
ただし、極軽度な目頭(鼻側)の逆さまつげの場合は、
1点のみ埋没法を施行することで治療可能です。
一方、高齢者の加齢性下眼瞼内反は、縦(垂直)方向と横(水平)方向のゆるみ(弛緩)が原因で内側にひっくり返るものです。
治療法としてそのゆるみを解消する必要があります。
当院では、加齢によるゆるみの状態から2つの埋没法を選択しております。
今回は、この2つの埋没法について、手術手技を解説いたしました。
2020年01月25日 国内学会発表・講演
第43回 日本眼科手術学会 東京
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インストラクションコース「眼瞼下垂症手術 ~オーダーメイドを目指して~」
「ミュラー筋タッキング+挙筋腱膜前転法」
林 憲吾
今回の学会での眼瞼下垂についてのインストラクションコースの構成は
①挙筋腱膜前転法(原法、後面から前転する変法)
②ミュラー筋タッキング
③経結膜ミュラー筋短縮術(通糸法)
④ミュラー筋タッキング+挙筋腱膜前転法
⑤拳筋短縮術
上記の5つの術式について、5名の演者が解説しました。
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私からは「ミュラー筋タッキング+挙筋腱膜前転法」について、手術動画を含めて解説させて頂きました。
当院では、30~40代の若年者の非常に軽度な眼瞼下垂には挙筋腱膜前転法を施行しますが、
中等度以上の眼瞼下垂には、まずミュラー筋タッキングを2点施行し、術中に挙筋腱膜前転を1点追加するかを検討します。
重度な症例は、この術式が非常に有用です。
2020年01月24日 筆頭和論文
あたらしい眼科
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流涙症(涙目)の主な原因として、涙道閉塞や狭窄がまず疑われますが、涙道以外に、結膜弛緩症(白目の膜がゆるむこと)が原因となることもあります。結膜弛緩症が導涙障害となっている場合,結膜弛緩症に対して治療を検討します。結膜弛緩症に対する主な治療法として、切除法(切って縫う),縫着法(切らずに縫い付ける),焼灼法(電気で焼いて縮める)などがあります。
一方,涙丘・半月襞(目頭の粘膜のコブ)が涙点を越えて耳側に偏位していることにより,涙液メニスカスの導涙障害となっている症例もあります。この涙丘・半月襞の耳側偏位の治療には,球結膜の弛緩に対する切除法と合わせて,涙丘・半月襞の切除を併用することが報告されています。
当院では,球結膜の弛緩と涙丘・半月襞の耳側偏位のそれぞれの程度から,①焼灼法,②涙丘・半月襞切除,③焼灼法+涙丘・半月襞切除,3つの術式を選択しています。今回、涙丘・半月襞切除のみ施行した症例での治療成績を報告しました。
近年,後眼部用の光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)に前眼部観察用のアタッチメントを装着し,下方涙液メニスカスの断面の高さ(tear meniscus height:TMH)を簡便に調べることが可能となりました。
今回、術前後の涙の貯留量をこの前眼部OCTを用いて数値化し、自覚的な変化のみではなく、他覚的な数値の変化でも、有意に改善することを報告しました。
2019年12月18日 執筆著書
Pharma Medica 2019年12月号(Vol.37 No.12)
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加齢性眼瞼下垂は、加齢により眼瞼挙筋群(挙筋腱膜とミュラー筋)の薄くなったり、離れていくことによって、挙筋の収縮が伝わらなくなることでおこります。若干の左右差がみられることがありますが、通常は両側性です。今後の高齢化社会に伴い、さらに増加することが予想されます。眼瞼下垂によって上方の視野の妨げとなる場合、あきらめるのではなく、基本的には手術で治療可能であることを解説いたしました。