最新の院外活動

2022年03月25日 執筆著書

OCULISTA 眼瞼手術アトラス

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OCULISTA

2022年3月増刊号

「超」入門 眼瞼手術アトラス

「眼瞼皮膚弛緩症に対する眉毛下皮膚切除術」

林憲吾 p108-114

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今回の眼科雑誌OCULISTAは、眼瞼手術の特集で、

聖隷浜松病院 眼形成眼窩外科 出身の医師18名による

様々な眼瞼手術の術式について解説するという企画でした。

私は、「眉毛下皮膚切除」について担当させて頂きました。

眼瞼の余剰皮膚を切除する場合、予定重瞼線から切除するパターンと眉毛の下で切除するパターンがあります。

それぞれ、メリットとデメリットがあります。

予定重瞼線からの切除する場合

メリットとしては、眼窩脂肪を切除できる、挙筋前転を行うことができる、重瞼線を作成することができるという点が挙げられます。

デメリットとしては、皮膚が厚い場合、重瞼線の上の皮膚の厚みが強調され、不自然な厚ぼったい二重となる点があります。

眉毛下で切除する場合

メリットとしては、皮膚の厚みのある眉毛の部分で切除して引き上げるので、自然な仕上がりとなります。

デメリットとしては、眼窩脂肪は切除できない、挙筋前転を行えない、もともと一重の方は術後も一重のため皮膚が被さりやすいという点が挙げられます。

術前の診察で、どちらのほうが、患者さんの意向に沿っているのか、よく相談する必要があります。

一般的には、皮膚の厚く硬い場合は、まず眉毛下での切除をお勧めいたします。

この術式の手技は、比較的容易ですが、仕上がりに最も差が出るのは、

どこの部分で何ミリ幅 切除するのかというデザインかと思われます。

アジア人の場合、外側(耳側)の皮膚のたるみが多くでるパターンが大多数ですが

内側(鼻側)から外側(耳側)までほぼ均一に被さるパターンの方もいらっしゃいます。

今回は、そのデザインと縫合のコツについて、私見を述べさせて頂きました。

 

 

2022年02月26日 執筆著書

臨床眼科 特集:眼瞼疾患の「切らない治療」vs「切る」治療

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下眼瞼内反症の「切らない」治療

加齢性眼瞼内反症の「切らない」治療  p165-171

林憲吾

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今回の雑誌「臨床眼科」は、眼瞼の霰粒腫や内反や下垂など様々な疾患に対して、切らない治療と切る治療を比較して解説するという特集で、私は下眼瞼内反症の切らない治療として、埋没法を担当させていただきました。

埋没法は、出血が少なく、3分程度と短時間で施行可能です。

術前に、まぶたを手前に引っ張り、水平方向(横向きの靭帯)の緩み具合を判断することが重要です。

約8割の患者さんは、水平方向の緩みを認め、その場合は垂直方向のみの矯正では、再発しやすいので、水平方向も短縮するように1本で横向きに広範囲に糸を通す埋没法を施行します(Wide everting suture)。

約2割の患者さんは、水平方向の緩みがなく、その場合は垂直方向を矯正する通常の埋没法(Everting suture)を2か所施行します。

この埋没法の使い分けることで、当院の約600例のデータでは再発率は約7%と非常に少ない結果でした。(原著論文は2022年に掲載予定です)

再発する例の特徴は、目頭の靭帯(内眥靭帯)と目尻の靭帯(外眥靭帯)の弛緩が非常に強い場合です。この場合、水平方向を埋没法で短縮しても、靭帯の緩みが残存するため、適切な矯正ができないため、このような場合は、埋没法と別の切開法(外眥靭帯を骨膜に短縮固定するLateral tarsal strip)を併用する必要があります。

2022年02月07日 国内学会発表・講演

第33回 日本眼瞼義眼床手術学会

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シンポジウム

「眼瞼下垂手術による角結膜の変化」

林憲吾

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2022 眼瞼義眼 シンポ 下垂と眼表面 2022.2.3 最終

2021 参天 眼瞼下垂 内反 20分 音声なし

シンポ

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大坂で開催されました眼瞼義眼床手術学会ですが

本学会は、形成外科医と眼科医の両者が同等に参加する非常に貴重な学会です。

眼瞼下垂手術後の眼表面(角膜や結膜)にどのような変化が起こるのか

術後のドライアイや角膜乱視の変化など

注意すべき点を解説させていただきました。

2022年01月29日 国内学会発表・講演

第45回 日本眼科手術学会 教育セミナー「眼瞼手術」

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 教育セミナー:眼瞼手術

「睫毛内反」 林憲吾

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今回の眼科手術学会は、コロナ拡大防止のため、急遽オンライン収録配信となりました。

教育セミナーで、睫毛内反について、手術動画を中心に解説いたしました。

極軽度な先天性の下睫毛内反には、埋没法を施行しますが

中等度以上の通常の下睫毛内反には、切開法が必要となります。

重度な睫毛内反には、睫毛とまぶたの裏の粘膜の間に切開を入れるLid margin splittingや

内眼角贅皮(蒙古ひだ)に対する、内眼角形成術(眼頭切開)などについて解説いたしました。

2021年12月23日 執筆著書

あたらしい眼科 ’21臨時増刊号 眼科手術Q&A

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Ⅵ 眼形成

「眼瞼下垂手術の術式と適応について」 p254~259

林憲吾

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眼科領域の主な手術として、角膜・白内障・緑内障・網膜硝子体・眼形成・小児眼科などがありますが、今回、眼形成の眼瞼下垂手術について解説させて頂きました。

眼瞼下垂手術のターゲットとなる部位として、挙筋腱膜とミュラー筋があります。

挙筋群へのアプローチとして、経皮(皮膚切開)と経結膜(まぶたの裏の粘膜から)があります。

国内では、行われている主な術式として、経皮(皮膚切開)での、挙筋腱膜前転法、ミュラー筋タッキング、挙筋短縮術、前頭筋吊り上げ術があります(当院では、これに加えて、ミュラー筋タッキング+挙筋腱膜前転法の併用を施行しております)。それぞれの術式に、一長一短がありますので、その特徴を解説いたしました。

挙筋腱膜前転法:メリット⇒再発が少ない。デメリット⇒中等度以上の下垂で前転量が多いと閉瞼不全でドライアイが長引くことが多い。

ミュラー筋タッキング:メリット⇒仕上がりが自然なカーブになりやすい、簡単、術後の眼が閉じやすくドライアイが少ない。デメリット⇒下垂の再発が多い。

挙筋短縮術:メリット⇒矯正力が強い。デメリット⇒侵襲が高い、手術時間がかかる、術後の開瞼が徐々に大きくなることがある。

ミュラー筋タッキング+挙筋腱膜前転法:メリット⇒矯正力が強い。時間も拳筋短縮術より短時間で可能。再発が少ない。デメリット⇒挙筋腱膜前転あるいはミュラー筋タッキング単独よりは時間と手間がかかる。

現在、当院では、

軽度~中等度⇒挙筋腱膜前転法

中等度~重度⇒ミュラー筋タッキング+挙筋腱膜前転法

最重度⇒前頭筋吊り上げ術

を施行しております。

 

2021年12月01日 国内学会発表・講演

第35回 日本眼窩疾患シンポジウム

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一般講演

「退行性下眼瞼内反症に対して水平方向の弛緩の有無に応じた2種類の埋没法の治療成績」

林憲吾

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加齢による下眼瞼の緩みが徐々に進行すると、結果的にバランスが崩れ、内側にひっくり返る逆さまつげ(内反症)となります。

この緩みは、垂直方向(下眼瞼を牽引する筋肉)と水平方向(目頭と目尻の靭帯や眼輪筋)の両方が影響していることが多く、

当院のデータでは2割が垂直方向の弛緩のみ、8割は垂直と水平方向の両行の弛緩を認めました。

現在、当院では、水平方向のテンションを確かめ、垂直方向の弛緩のみの場合は、垂直方向の埋没法を2本施行し、

水平方向の弛緩もある場合は、水平方向の広範囲な埋没法を1本施行しております。

糸はゴアテックス糸を2019年まで使用しておりましたが、ごく稀ですが肉下腫が見られるため、太い透明なナイロン糸に変更しました。

上記の術式の使い分けにより。608眼瞼で再発率は6.6%でした。(再発例には、再度埋没法を施行するか、LTSと呼ばれる目尻の靭帯を補強する手術を追加します。)

埋没法は3分程度と短時間で、ほぼ無出血で施行可能な低侵襲な手術です。

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